Kylian’s space compositionand his narrative abstract ballet
1988年にキリアンはバレエ『かぐや姫』を発表した。この作品は、作曲家、石井真木が日本のスターダンサーズバレエ団(1985)のために書いた台本と音楽が使用している(この際キリアンは、石井に部分的に音楽の改訂を求めており、台本の内容も変更された)。キリアンの『かぐや姫』は抽象的で、物語との対応関係がわかるようには創られていないが、説得力がある。本論文では、その説得力の一因を、作品の空間構成に見いだし、元の台本に変更が加えられた箇所も手がかりとしながら、それを詳細に分析する。
Theatre Research International, vol. 38, No. 3,Cambridge University Press