バレエ・ダクシオンにおける筋立て構成
バレエ・ダクシオンにおいて「演劇性」と「絵画的特質」をどのように調和させるかという問題は、バレエ作家たちの中心的な課題であった。本論文では、ロマンティックバレエ以前のこのジャンルの成熟期において、これを実現していると思われる作品を見出し(『スキロス島のアキレウス』『アレキサンダー大王とアペレス』『無夢病の女』『ダンスマニア』)、その台本構成の分析を行なった。これらの作品に共通して見られたのが、主人公の演劇的葛藤とバレエ的な華やかな「絵」を重ね合わせるという手法である。
演劇学論集紀要
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