ノヴェールの作品におけるタブローと筋展開
バレエ・ダクシオンの創始者の一人であるノヴェールは、その著『舞踊とバレエについての手紙』で、バレエは絵(タブロー)であり劇であると述べている。本論文では、彼の創作論が実際の作品にどのように実現されているか、作品台本を分析することで検討した。着眼するのは「タブロー」と「ドラマ性」の相克がいかに乗り越えられているかという点である。「絵画」自体をテーマとして「タブロー」を筋のなかに自然で表現した『アペレスとカンバスペー』は、彼の理念に最も即した作品として成功している。
千葉商科大学紀要
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