マース・カニングハムの舞踊の原点―カニングハム、その作品の構造と美学を辿る―
振付家マース・カニングハムと作曲家ジョン・ケージは、振付と作曲を別々に行い上演の際に初めて合わせるという方法によってコラボレーションを続けたこと、創作に「偶然性」を取り入れたことで有名である。彼らのこのような方法論は、単なる「既成の方法の破壊」であると誤解されがちである。本論文では、彼らの仕事が単なる破壊であるどころか、いかに厳密な創作思想に基づいたものであるかということを、カニングハムの創作ノートなどをもとに実証する。
「日本文化財団公演プログラム」
p54-61