開かれた接触の次元へ-コンタクト・インプロヴィゼーション論
春秋(春秋社)
1970年代のアメリカで開発された舞踊即興法にコンタクト・インプロヴィゼーションがある。複数の人が身体の一部を接触させ続けながら動くというもので、誕生から30年以上を経た現在でも、プロ/アマ双方の世界で広く普及している。この技法は20世紀舞踊を大きく変革した。本論では、それは「触れる」ということが舞踊生成の基本原理だからだ、ということを指摘した。さらに、この即興法がわれわれに開示する「触れる」ということの意味を考察していった。