潜在的核兵器保有能力の特質は、第一にその政治性に求められる。即ち、バーゲニングパワーを実態化させる基盤としてのCAPACITYであり、技術的経済的ないしはナショナル・コンセンサス形成や国際的発言力といった、20世紀的勢力均衡理論を超越した「力」としての分析の必要性がある。その、概念としての「力」をポリテクトニクスの考え方を導入することによって指数化する試みを行った。ちなみにポリテクトニクスとは、国際政治において認識され、用いられている「力」の基本要素を計算し、国際社会のいわば力学的構造を解明する基盤とする研究の総称で、ほぼ、政治構造学と訳す性質のものである。