本研究では,EDINETが導入されて10年を迎えるなかで,電子開示をめぐる2つの動きを取り上げ、課題等を検討した。1つ目は,金融庁が進める次世代EDINETの方針である。現行EDINETと大きく変わる点はいくつかあるが,中でもXBRL化の対象項目の拡大は利用者の利便性を高めることを指摘した。2つ目は,日本公認会計士協会によるXBRLデータの信頼性確保の取り組みである。財務諸表監査の延長としてではなく,XBRLデータに対する合意された手続の形で,XBRLデータの信頼性を確保しようというものである。