本研究では改正開示府令が適用された2020年3月31日以降の約2500社の有価証券報告書の事業等のリスクについて,記載される文字数, 記載されるリスクの順序を調査した。文字数は,それまでの約1.5倍となっていることから改正開示府令により記載内容の充実が図られたと考えられる。リスクの順序については,トピックモデルによって,どのようなリスクが重要なリスクとして認識されているかを分析した。その結果,調査対象全体では,事業を行う市場に関わるリスクがもっとも重要なリスクとして認識されていることが判明した。