「税率構造」
カーター報告は、能力説に基づいた仮説的税率表を作成し、客観的能力説による課税の公平を達成しようと試みた。実際に勧告した税率表は、仮説的税率表を出発点として、三つの目的と二つの制約条件を設定して作成した。結果として、0%から50%までの21段階からなる多くの税率区分が設けられ、その理論的背景は、所得の割合の変化と同率で限界税率が上昇することであった。
『カーター報告の研究-包括的所得税の原理と現実-』五絃舎
第4章所収