「売上税」
1960年代のカナダでは、一般消費税に関しては、連邦は製造業者売上税、州は小売売上税を課税していた。カーター報告は、連邦と州の関係を勘案して、連邦に関して小売売上税に代替することを勧告し、税務行政問題があまりにも大きい場合にのみ付加価値税を採用すべきであるとした。この勧告は1971年の税制改革には反映されなかったが、1991年に実現した財貨・サービス税導入に関する一連の議論にカーター報告の課税理念が脈々と流れていると言えよう。
『カーター報告の研究-包括的所得税の原理と現実-』五絃舎
第8章所収