「キャピタル・ゲイン課税」
カーター報告は、当時カナダにおいて非課税であったキャピタル・ゲインを包括的課税ベースに算入することを勧告した。この措置は、課税の公平の観点から当然の主張であるが、同時に多くの問題を有する。ロックイン・エフェクトを防止するための未実現キャピタル・ゲインへの課税は非現実的であるので、実現ベースに後退したことは止むを得ない妥協である。また、課税の集中問題を考慮して、平均課税の導入も勧告した。
『カーター報告の研究-包括的所得税の原理と現実-』五絃舎
第6章所収