前5世紀アッティカ碑文の成立年代決定法に関する検討
前5世紀アッティカ碑文の成立年代の推定をめぐる論争に関して、碑文の書式・形式から年代推定の蓋然性を探る検討を(1)碑文の頭書きの有無とその書式、(2)アッティカ方言碑文へのイオニア式正書法の採用の度合い、の2点からおこなった。精査の結果、碑文の書式や形式への目配りは、ほかに手がかりがない場合には、成立年代の推定に必要かつ有効な判断基準となりうることが明らかとなった。
西洋古典学研究
5213-31