執筆者:須江隆、アンゲラ・ショッテンハイマー、ティ・ジェ・ヒンリクス、ジョセフ・デニス、クリスチャン・ド・ペー、伊原弘、柳立言、アンナ・ヘリセン、サラ・シュニーウィンド、八尾隆生、師尾晶子 執筆論文:古代ギリシアの書承文化と碑文習慣-アテナイを中心に 413-436頁 科学研究費補助金特定領域研究「東アジア海域交流と日本伝統文化の形成」に比較史的視点からの提言を求められて関わったことがきっかけとなり,2006年来、国内外の中国史研究者と史資料のあり方をめぐるさまざまな研究会に参加してきた。寄稿した論文はそれらの研究会・学会での報告をもとにしたものである。古代ギリシアの書承文化がきわめて裾野広く普及していたこと、その一方で、古代ギリシアの碑文習慣の特徴の一つとされる決議碑文の建立という習慣の確立は従来考えられていたよりも若干遅れ、前430年代以降と考えられることを論じた。