Another Look at Sluicing in Japanese: The Presence and the Absence of the Copula

The 4th Annual Tampa Linguistics Workshop

非WH移動言語である日本語のスルーシングは，WH移動言語でありTP削除を伴う英語の場合とは異なり，分裂文の構造を伴うという分析が標準的である。この分析を動機づけているのは，WH表現のあとに生じうる「だ」などの繋辞の存在である。本発表では，スルーシングを許すが繋辞を許さないWH表現「なんでまた」「なんだって」の存在を提示し，分裂文の構造を伴わないスルーシングの存在を示した。また，これらの表現は，英語のhow comeと同様にCP領域に基底生成されると仮定し，英語のWH表現同様にTP削除を伴うスルーシングを許す，と論じた。これは従来の日本語のスルーシングの統一的な分析に一石を投じるものである。