北陸地域に見る産業集積の形成と変容-工作機械産業を例に
北陸地域はかつて盛んであった繊維産業と、アルプスから流れる河川の水力を用いた発電を利用した金属産業との関連で、工作機械産業の発展が見られた。現在では中京地域の自動車産業との結びつきが強くなっている。最近では自治体がコーディネートした研究開発プロジェクトに参加して、他業種との連携による製品開発を行う企業も現れている。このように、北陸の工作機械産業は地域との一定の結びつきを持っているが、イタリアの例と比較するとあまり密接とは言い難い。
商工金融(財)商工総合研究所
第55巻第5号