A lot/lots of, a great/good deal of, a bit of等の複合数量詞は,もともと[NP1 [of NP2]]構造でNP1が主要部であったものが,それぞれNP1 ofの部分が数量詞として再解釈と再分析を受けたと指摘されることがある。本稿は,同様に数量詞的な用法をもつno end ofについて,それは主にthere is no end of NPの環境で,no endが文字通りの意味ではなく「…が途方もないほどある」と誇張的に量が多いことをより頻繁に表すようになったことをきっかけに,数量詞として再解釈と再分析を受けたことを論証した。No end ofの再分析の様態は他の複合数量詞とは異なるものの,再分析を受けた後は,いくつかの複合数量詞と同様に程度副詞の用法を発達させたことになる。