源氏物語と貴種流離譚
『源氏物語』が貴種流離譚の原型であるスサノヲの尊神話を踏まえ、それを物語として昇華させていった過程を罪の側面から追及した論。光源氏の流離に罪が深く関わっている点を、その源泉であるスサノヲの尊が罪過の象徴的な存在であることから論じ、貴種流離譚が本来罪と不可分の関係にあることを披瀝した典型的な作品が『源氏物語』であったことを明らかにする。
「千葉商大紀要」
第46巻第4号