源氏物語と現世的価値
『源氏物語』の主人公光源氏に窺われる現世尊重の人物像がいかに造型されたかをモデル論の視点から追究した論。スサノヲノミコトを本質的なモデルとすることによって「異郷」に深く心を寄せる一方で、俗世に身を置き、現実の世界に「異郷」を現出しようと努めた光源氏の一面には、聖徳太子に見られる現世尊重の精神が受け継がれていることを明らかにする。
「千葉商大紀要」
第44巻第3号