源氏物語と絵合
『源氏物語』における「絵合」の行事に込められた作者の真意を追究した論。「絵合」の準拠とされる「天徳歌合」には、この催しによって帝の寵愛を独占してはならない旨が明記されていることを指摘した上で、『源氏物語』の作者は、「天徳歌合」の行事を踏まえることによって、一見「政治的」とも見える「絵合」が、実は文化的伝統の創始を意図していたことを明らかにする。
「千葉商大紀要」
第44巻第1号