A Study of Commercial Banks' Policy concerning Long-Term Lending in Postwar Japan,1945-60
本論文は、戦後の大手各行が中長期融資業務の新規開拓に傾注した経緯とそれが行き詰った理由を明らかにしたものである。戦後、大手各行は取引基盤を強化し、特に主力先のグループ化を進めたが、取引関係をより密にするには中長期融資業務が必要であった。しかし、旺盛な資金需要を抱えた主力先等への満足な資金供給を果たせず、自らは従来通り、短期融資、商業手形の割引、貿易商社との外国為替業務等に留まらざるを得なかった。
千葉商大論叢
第39巻第3号