本稿では企業と大学を共に社会的制度の一つであると捉え、企業と大学の社会的役割を分析した上で、両者の関係を機能的に就職・知識交流・研究支援の諸側面から現状把握する。 そうした関係から見たときの大学の経営、とりわけ私学の経営においては、学生からの授業料と教育サービスの相関を無視・放置しつつ成り立っていることを指摘する。経営基盤としての授業料はなにに対して払われているのかという疑問に、学生は教育サービスではなく大学のステータスに対して負担をしているという仮説をたて、現代の日本の大学が抱える経営上の根本問題を提起する。