原価管理研究序論 ―チャールズ・バベッジの研究―
チャ-ルズ・バベッジの原価管理論は、工場の経済合理性の追求という立場から原価低減を志向している。彼は、具体的な方法として分業制度と機械技術の導入に注目している。これによって製造原価を低減させ、工場経営を有利に展開できると考えていたからである。すなわち彼は、技術的な問題を経営的に解決するために、原価が重要な役割を果たすと見ていたのである。バベッジの原価管理の思想は、産業革命の黎明期における原価管理論であるが、現代にも共通する問題意識と成果を十分に備えた理論であると評価できる。(pp.48-66)
『成蹊大学経済学部論集』第8巻第2号