会計における真実と粉飾経理
会計の機能は、報告にある。すなわち、事実を真実な姿としてとらえ、それを財務諸表によって、利害関係者に伝達する必要があるからである。しかし、事実を真実に伝えるといっても、一定の会計構造の枠の中で実施するわけであるから、おのずと制約を受けることになる。その制約は、会計そのものに起因するものと、商法、税法および証券取引法などの会計に直接的に影響を及ぼす法律に起因するものとがある。そして、それを利用する人の判断という要素もあるので、事実を真実なものとして報告する難しさがある。(pp.103-129)
『千葉商大論叢』第32巻第1,2合併号(千葉商科大学)