番場理論によれば、原価管理会計は、原価会計と内部報告会計としての管理会計とが有機的に結合したものであるとし、その領域をコスト・コントロールと原価切下げとから成るとする。番場博士は、標準原価主義の立場をとり、棚卸資産原価は標準原価で評価すべきことを主張する。その結果、発生する原価差異を管理可能な差異と管理不能な差異に区別し、管理可能な差異だけを標準原価に算入すべしとする。この学説は、原価差異のプロダクト・コスト性を検証するための勧告の意味があった。そして、これが通説となった。(pp.99-120)