わが国の固定費管理は、ドイツさらにアメリカの影響を大きく受けている。最近では、キャパシティ・コストの概念は、その代表的なものである。操業度分類による固定費と原価発生源泉に基づく分類からのキャパシティ・コストでは、原価概念の違いがある。しかし、2つの概念を交錯させることにより、管理可能な固定費の存在が明らかとなった。すなわち、年度計画および経営幹部の意思決定によって管理可能となる固定費である。したがって、固定費についても、原価態様を実績から把握する個別的な管理が必要である。(pp.143-161)