ヘンリー・ローレンス・ガントの間接費概念
ガントの間接費は、生産に消費された間接費だけが製品原価を構成する、という通説の理論である。しかし、正常操業度による間接費配賦率で、各製品に間接費を負担させることが合理的であるとする考え方は、現在の原価理論に照らしても正当性がある。特に、不働産設備費としての間接費が、工場経営にとって計り知れないほどのマイナス要因であることを指摘する。そして、これを排除するためには、生産規模の合理的な決定が最も有効な方策であるとする。この点に固定費管理の初期の原型を見ることができる。(pp.169-188)
『千葉商大論叢』第22巻第3号(千葉商科大学)