エマーソンの標準原価は、能率技師の立場として理想標準原価として見られがちであるが、正常な状態で発生する可能性のある損失を含む現実的標準原価である。また、この標準原価をもって真実の原価とみる点は、高く評価できる。特に、能率を時間や物量だけでなく、実際原価に対する標準原価という公式で示し、実際原価、標準原価、能率という関係を、明確に表示したところに価値がある。また、彼は、能率的な工場運営とは、回避可能な浪費をすみやかに排除すること、およびスタッフ費用を資産等の解釈をする点に特徴がある。(pp.209-228)