経営多角化とみられる現象は、決して新規なものでなく、古くは16世紀頃、すでに西欧で認められる。当然、わが国でも、経営多角化と考えられる現象は、かなり以前から認められている。だが、経営多角化の意味、程度の測定、目的、類型、傾向や企業の規模、成長、利益率との関連性などにたいする明確な調査研究は不充分に思われる。本論文は、M. ゴート(Michael Gort)の「アメリカ産業における多角化と統合」(Diversification and Integration in American Industry)をもとに、経営多角化の内容を多面的な視点から分析することを目的とした。