生成AIにおけるプロンプトエンジニアリングの効果～レポート生成と自動採点を用いた分析～

本研究では、教育現場における生成AIを活用したレポート評価の効果的なプロンプト設計を探求した。実験により、「具体例の提示」や「特定の目標の設定」を含むプロンプトは、レポートの明確さや説得力を向上させ、自動採点で高評価を得やすいことが確認された。一方、曖昧な指示や広範なテーマ設定では、内容が散漫になり、低評価となる傾向が見られた。適切な情報を引き出すためには詳細な指示が不可欠であることが明らかとなった。また、自動採点においても、採点基準を反映した評価指針をプロンプトに組み込むことで、AIの採点の一貫性と正確性が向上することが示唆された。本研究は、生成AIの教育現場での効果的活用に向けた指針を提供し、教員の負担軽減や学生の学習効果向上に寄与する。今後は、人間の採点との比較や異なるテーマでの検証を通じて、プロンプト設計と自動採点モデルの精度向上を図る必要がある。

千葉商大紀要