ベンヤミンのボードレール論とジョゼフ・ド・メーストル
日本独文学会秋季研究発表会、シンポジウムVI「ベンヤミンの経験への問い―1930年代を焦点に―
ベンヤミンのボードレール論において、近代生活の経験を構成する二要素である、人間間の相互不信とつながりへの懐古的欲求を考察する際に、ジョゼフ・ド・メーストルの「可換性」の概念の二重性が果たした役割を明らかにし、この考え方がベンヤミンの遺稿『歴史の概念について』におけるメシアニズムの中にも見られることを明らかにした。