「歴史の反映か構築か:80年代のヴェトナム戦争映画における記憶のポリティクス」
日本アメリカ文学会第49回全国大会(於立正大学大崎キャンパス)
1980年代には、例えばヴェトナム帰還兵記念碑など、ヴェトナム戦争を国民的な犠牲とみなし、戦没者を哀悼する文化的言説が浮上した。『プラトーン』(Platoon, 1986)は、80年代の哀悼的な文化言説の一部でもあるが、他方で米軍がヴェトナムの民間人に与えた暴力を克明に描くことで、犠牲だけでなく加害のトラウマも表象していることを指摘した。