学会発表:宅配便市場における市場構造に関する考察
日本商業学会第72回全国研究大会(小樽商科大学:オンライン開催)
本研究では宅配便市場における価格設定行動に市場構造が与える影響について論じた。宅配便市場は寡占市場で参入障壁が存在するため産業組織論に基づけば、宅配便事業者は価格設定者になりうるとの結論が導かれる。しかしながら、実際の企業高度を観察すると、むしろ価格受容者になっているように見受けられる。そこで、産業組織論の先行研究では論じられていない宅配便市場特有の変数を考察した結果、「自給可能性」と「集配密度の経済」が宅配便事業者の価格設定行動に影響を与えるとの結論を導出した。