著者:戸川和成・稲葉陽二世代間交流は、人々の健康、特に高齢者の健康に重要であることが明らかになりつつあるが、その実態は必ずしも明らかではない。また、世代間交流には明らかに地域差があるが、その解明は殆どされていない。本稿は、稲葉研究室が2018年に長野県C市で、東京都健康長寿医療センター研究所が、川崎市A区と東京都B区で実施したデータに基づき、世代間交流の地域差を分析するノンパラメトリック検定により、地域差を検定した後、マルチレベル分析で地域の文脈効果を総合的に分析する。分析結果は多岐にわたるが、世代間交流は都市と農村、男性と女性、正規雇用と非正規雇用がかかわっているほか、ソーシャル・キャピタル(地域の信頼、互酬性、住民同士のつきあい)が影響している可能性が高いことが明らかになった。