2015年8月の広島平和記念公園におけるビデオ撮影調査によって得られた映像群を、12名の撮影者(調査者)ごとに見ていくと、撮影者の個性と撮影された映像の諸特徴のあいだに明確な相関関係があることが分かった。
映像分析の結果、撮影された映像には、撮影者の被写体に対する意識的なふるまいばかりか、無意識(深層心理)の次元での態度の総体が表れており、撮影者の興味関心の対象、対象へのアプローチの仕方、対象との関わり方・話し方、すなわち撮影者のコミュニケーションのあり方の総体が映像に再帰的に表れていることが明らかになった。