「クロス・オーラル・ヒストリーズ――四国遍路の歴史共同体をとらえるために」
オーラル・ヒストリー研究者・保苅実の問題意識と方法論を検討しながら、四国遍路の歴史共同体について考察した。 遍路と地域住民の語りの「多声 polyphony」や四国遍路における「交差した複数の語り・物語 cross-narratives」に関して、聞き取り調査とビデオ撮影調査で得られた音声データ・映像データを用いて論じ、 四国遍路の歴史共同体をとらえるためのオーラル・ヒストリー研究の新基軸を、ビデオ撮影調査の意義とからめて提起した。
『三田社会学』
第21号,pp.144-147.