『アマチュア小型映画のメディア文化論――9.5ミリ映画・16ミリ映画・8ミリ映画のテクノロジーと文化、1923-1982年』(査読付)
小型映画(9.5ミリ映画、16ミリ映画、8ミリ映画)は、映画を家庭で「観る」「撮る」ことを目的に全世界に配置されていった映像のテクノロジカルなシステムである。 アマチュア撮影者による自身の人生イベントや身近な家族の撮影と私生活圏における上映活動に関するおよそ半世紀の営みを分析した結果、各家庭・各地域に深く入り込んだ小型映画が生活空間を変容させつつ、人びとの感性や身体と密接に関わりながら、自主的な撮影実践と上映ネットワークの構築を通して、現代のメディア社会の礎を築いていったことが明らかになった。
東京大学大学院学際情報学府修士学位論文,
pp.1-157.