Academic Theses

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Name GILDART Samuel
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Title

機械翻訳と復言語に関する指導法の開発

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Summary


Ⅰ はじまり  運命は,「突然扉を叩く」というフレーズがまさに当てはまる始まりだった。2020 年度 の新学期のはじまりは COVID-19 の広がりにより,当初より 1 カ月延期になったが,経 験をしたことがないいくつもの新しいことが始まった。本学では,1 年生は授業に PC が 必携になり,PC を使った授業が奨励されると同時に,全学で授業時間が 105 分になった。 英語の授業時間に機械翻訳を使って英語以外の外国語を学習させる授業が始まった。そし て授業は,当初,受講生を半分ずつに分けて,1 週ごとに対面授業と遠隔をする授業を行 うようにと指示されたので,それに対して,授業計画を作っていたが,結局すべて遠隔授 業になり授業案を作り直すことになった。

 Ⅱ 背景 1.複言語主義教育について  研究代表者の酒井は,2012 年より,複言語主義の研究を行っていた(酒井 2018, Sakai 2019, 酒井 2020)。複言語教育を推進する理由だが,日本の外国語教育は,英語教育とイ コールであると言われる。しかし,英語教育だけでは,弊害が多いし,グローバル時代の 教育としてふさわしくない(酒井 2018,pp. 7-9)からである。弊害だが,柳瀬(2007, p. 69)は,「現在,日本では,グローバリズムの影響による英語熱の増大と,ややエスノセ ントリックな日本語愛の二つの動きは非常に目立つ。(中略)ここで問題にしたいのは, 日本の言語使用に関する言説が英語と日本語の間で閉じられてしまい,なかなか他の言語 や文化に私たちの目が向かないことである」と説明している。学ぶべき言語が 2 つに閉じ られると,言語間に優劣ができかねない。当然,有利な「大言語」のほうが強い。そうす ると,「大言語」の母語話者か母語話者並みの発話能力を持つ人を尊ぶ傾向が起きる(酒 井 2018, p. 10)。そして,母語話者並みの英語力を身につけることが達成できないのは我々 に非があるのではなく,日本の環境で学ぶ限り,その能力になることはかなり難しい(本 名 1999,pp. 124-149)のである。つまり,英語だけをかなり学習しても,完璧にマスター するのは至難に近い。そして,学習者は,習得が難しいと,英語学習に対して劣等感を持 ちがちになる。このような教育の状況は望ましいものではない。その弊害を改善する方法 として,複言語主義教育がある。

Magazine(name)

千葉商大紀要

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Date of Issue

2020/11