本研究の目的は,会計研究における適切なOLC モデルの援用方法を明らかにすることである。この目的を果たすため,本研究では選択的文献レビューを行った。対象としたのは,これまでの会計研究で多く用いられてきた2つのモデル,すなわちひとつめがミラーとフリーセンの,ふたつめがディッキンソンの提唱したOLC モデルである。分析の結果,管理会計研究には前者が,財務会計研究には後者が適合的であることを明らかにした。また,それぞれのOLC モデルを援用する際の留意点や,概念の修正,操作化に向けた方向性を提示した。