「組織ライフサイクル概念を用いた管理会計研究の現状と展望 : 実証研究の文献レビューに基づく考察」
本稿の目的は,組織ライフサイクルの概念を用いた管理会計学領域における実証研究の回顧と展望である。文献レビューから,多くの研究がMiller and Friesenの提唱した組織ライフサイクルモデルに依拠していること,誕生期には管理会計システムはあまり機能せず,成長期以降ではライフステージによって利用される管理会計システムやコントロールは異なることを指摘した。また,衰退期に関する研究,定量的研究の結果を補完する定性的研究,ライフステージ移行についての研究を,今後の方向性として提示した。
『慶應商学論集』
第29巻