環境経営やCSR経営(CSV経営)を精力的に展開する企業が、世界中で増えている。
しかし「企業はなぜ社会環境問題に対して取り組むのか?」という問題は体系的には明らかにされていない。本来企業は自社の利益を求めがちあり、こうした取り組みは普通足かせになるため一見不自然のように見える。一方で「企業はどのようにして社会環境問題に対して取り組むのか?」といった技術的な問題もある。
本書はこうした2つの問題に対して、企業システムの設計と活用の両面から答えようとするものである。ここでは環境経営の企業システムの中でも、その根幹をなす環境マネジメント・コントロール・システムに着目する。
これまで環境・CSR関連の類書はいずれかというと、社会や地球環境に重点をおくものが多かった。しかし本書の特徴は、あくまで主体を企業においている点である。そして本書全体を通してのメッセージとして、本業を通じての社会環境問題への取り組みは、自社や社会をより良くするための第一歩にもなることを提示する。