本稿は、米国において再販売価格維持行為を反競争的であるとして約100年もの間、当然違法の採用根拠となっていた経済理論が今日大きく見直されつつあることに着目し、これまで見過ごされることが多かった再販売価格維持行為の競争促進効果に着目する経済理論について考察したものである。米国における再販売価格維持行為の規制の歴史及びその根拠となった経済理論を米最高裁判決を軸に考察を加え、独自に新たな分析手法であるRPMI(Reasle Price Maintenance Index)分析を提案し再販売価格維持行為の本質を検討した。