「英国経済の衰退と英国市民社会の変容-経済社会学的アプローチによるモデル分析-」
本稿ではJ.ヒックスの『経済史の理論』における「市場の類型」とK.ポランニーの『大転換』における「経済の類型」を組み合わせた理論枠組をつくり、それにより、英国経済の盛衰について再解釈を与えることを企図した。そして分析の結果、英国に伝統的に存在している互恵団体や金融投資家の伝統的倫理が、経済社会における流動的な脆弱性を防いでいたのであり、今日はそれが失われつつあるため、不安定性が増加していると結論付けた。
社学研論集21号(早稲田大学社会科学研究科)