「ポスト19世紀型経済の「所有」と「交換」の様相-方法論的関係主義の観点から-」
本稿は、近年の世界資本主義における混乱を19世紀型の「絶対的所有権」と「交換」の普遍化と、それに伴う<多様な関係性>の喪失として捉えることを主張した。一方で、21世紀の現在,そのような混乱に対する反作用として、新しい<多様な関係性>(例:地域貨幣圏)が創出されつつあることも事実である。そこで本稿では、ゲゼルシャフト的な市場経済を廃棄しない形で、かつそれを絶対視しないためのポスト19世紀型の経済社会空間はどのようなものであるべきかを検討した。
経済社会学年報34号(現代書館)