An Attempt of Ideal Types of Social Change on Polyphyletic Theory of HistoryFrom A Perspective of the Self-identity of Contradictories on Human Being and Space
本稿は、西欧由来の社会思想ないし単系的歴史理論には、「空間」の多様性を軽視する傾向があるため、今日の政治や社会の多様な発展、変化を説明できていない一方で、梅棹忠夫の生態史観(多系的歴史理論)は、上記のような現状を説明できているという点で、現在における同理論の意義が大きいことを指摘した。しかし一方で、多系的歴史理論には、矛盾による社会変動を射程外にしているという問題点があり、その不足を補うために本稿は、「矛盾的自己同一」という人間存在の本質をモデル化し、当該理論に接続することを提案した。
千葉商大論叢 第58巻2号