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Basic information

Name FUCHIMOTO, Satoshi
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Title

学会発表「分有と分立に基づく社会存在論の分析枠組みの試論」(2024年 12月 政策情報学会 第20回研究大会 於:慶應義塾大学三田キャンパス)

Sole or Joint Author

Sole Author

Date of Issue

2024/12

Conference Presentation(name)

第20回政策情報学会研究大会(於:慶應義塾大学 三田キャンパス)

Summary

本研究は、田辺元の社会存在論を改変し、今日の社会科学に見合う分析枠組みの試論を提示することを目的としたものである。改変が必要な理由は、私見では、田辺の絶対弁証法は、ヘーゲルの弁証法をアレンジしたものゆえに、一方的な歴史解釈を継承しているにとどまっていると考えるからである。
 しかしながら田辺が、「分立」と「分有」は人類社会に普遍的に存在すると認め、社会存在論の基盤に据えたことについては、積極的に評価するものである。現代社会科学には多様な流派があるが、多くはデカルト主義的な「自我」、「個人」の存在を前提にしている。しかしその「方法論的個人主義」によって、アニミズムやナショナリズムの発生を説明することは難しい。むしろ自己融解(分有)こそが人間存在の原的な姿であり(自他未分)、そこから分立して「自我」が発生した、と考えるほうが、情緒的共同性に基づく社会現象の成立を説明できるように思われるのである。そこで本研究では、田辺の社会存在論を基礎に据えつつ、ホルクハイマー&アドルノの『啓蒙の弁証法』や柄谷行人の主張や批判も踏まえ、新たな「分有」と「分立」を基盤とする社会存在論のための分析枠組みの可能性を検討し、その試論を提示するものである。

Subject1

Subject2

Subject3