「韓国の租税法における実質課税原則の適用限界:判例を中心として」
韓国の国際的租税回避防止に関する対応規定としての国税基本法第14条実質課税規定が多く議論されるようになっている。本論文は実質課税規定が租税回避防止規定としてどこまで機能するかを検討するために、実質課税原則の適用関係について判例を中心に検討を行った上で、この規定を租税回避防止規定とすることによる租税法律主義による限界、課税庁の恣意的解釈排除、また国際取引における予測可能性について生じる弊害としての新しい取引の萎縮および資本流出等をもたらすことの問題点について論じたものである。
国士舘大学政経学会、政経論集第11号 pp.121-147