本研究では「社会福祉士の専門性を構成する知識と技術と価値観には、何が求められているのかを解明する」ことを目的として、実証的研究を行った。これにより、社会福祉士の本来的使命である、社会福祉ニーズを持っている人の立場に立った権利擁護の実践を、より質の高いものにすることが出来る。研究成果として、知識に関する項目を10項目、技術に関する項目を10項目、価値観に関する項目を9項目確定した。また、知識と技術と価値観の3つに共通する項目をまとめることで、社会福祉士の専門性を構成する共通要素を示した。共通要素は、①ICFやストレングスやエンパワメントの活用、②援助の原理原則の理解、③認知症の理解、④障害と疾病の理解、⑤社会福祉制度の理解の5つにまとめられた。この結果から、社会福祉養成教育、国家試験等に関する政策提言を行った。