本研究では社会福祉に視点を置いた観光に着目し、高齢者にとって観光しやすい街づくりに関する要因を探ることを目的として、観光施設側と旅行者側の双方に対して実証的研究を行った。その結果、観光施設側では、上位には、個人情報保護やコミュニケーションに関する項目が、中位には、旅行者ニーズの把握や旅行者の理解に関する項目が、下位には、福祉用具や福祉住環境に関する項目で占められていた。一方、観光施設を訪れている高齢者側では、上位には、福祉用具や福祉住環境に関する項目が、中位には、旅行者のニーズの把握やコミュニケーションに関する項目が、下位には、法制度や権利擁護に関する項目で占められていた。