本稿は,地域と大学生のかかわりによる関係人口創出について,大学教育としてのアク
ティブ・ラーニング活動への参加回数が商店街内店舗への入りやすさや立ち寄り回数に及
ぼす影響を,新型コロナウイルス感染症感染拡大による影響にも触れながら考察するもの
である。
新型コロナウイルス感染症感染拡大により,商店街内店舗とのアクティブ・ラーニング
活動への参加回数,商店街内店舗への立ち寄り回数とも減少したものと推測できる。商店
街内店舗への立ち寄りについては,商店街内店舗とのアクティブ・ラーニング活動への複
数回の参加により「入りにくい」と答える割合が高くなるが,参加回数が増えるほど立ち
寄り回数が増えることも示され,感染症感染拡大という状況下にあっても,それ以前(2019
年調査)の傾向から大きな変化はなかった。アクティブ・ラーニング活動を継続しながら
も店舗に「入りにくい」と答える例として,アクティブ・ラーニング活動により「支援」
を介して「する側」と「される側」を分けて認識し,「プライベート」での店舗への立ち
寄りを避けようとするといった関係の保ち方も見られた。関係人口の観点からみる若者と
地域の関係のあり方において,アクティブ・ラーニング活動は,若者と地域とのかかわり
の展開可能性の契機となっているといえるだろう。