本研究においては、国際的二重課税の排除方法を「法的帰属」と「経済的帰属」の観点からアプローチし、特に法的帰属(直接外国税額控除制度)と経済的帰属(間接外国税額控除制度)の両面性をもつ外国税額控除制度を研究し、現行の日本の外国税額控除制度において、法的帰属と経済的帰属の相違による租税の中立性が確立されているのかどうかを検討し、今日の日本における最適な国際的二重課税の排除方法を研究することを目的とする。なお、近年アメリカやイギリスで検討されている国外所得免除制度への転換の議論を参考に、日本における今後の国際的二重課税排除方法の方向性としての国外所得免除制度導入についても検討していく。